皆さんはアウター選びで迷ったことありませんか?
アウトドアウェアのブランドが作っているアウターって、ものすごく種類が多いですよね。
アウトドアウェアのブランドにとって衣類はデザインやファッションを楽しむだけのものではなく、
最も重要なのは命を守る道具としてウェアを作っている事なのです。
残念なことに、これまでにもアウトドアブランドとして大切なこのクラフトマンシップを見失ってしまった事で、ただのファッションブランドになってしまったブランドも多いです。

ウェアの機能ってホントに大切!
命を守るものだから、信頼できるブランドを選びたいよね。
信頼できるアウトドアのブランドには、エキスパートモデルからカジュアルユーザーモデルまで用途に合わせた数多くのアウターウェアが作られているため必然的に種類も多くなります。
このように、使う用途やシチュエーションの違いによって最適な素材や加工は異なります。
一見同じように見えても機能は全く違う製品だったりするものです。
今回は、出来るだけわかりやすくアウターの種類と特徴を解説していきます。
ポイントさえ理解すれば、今後は迷うことなく自分に必要なアウターを選べるようになるはずです。



この記事を読んで頂ければ、こんな事が簡単に理解出来ます。
- 自分が使っているアウターにはどんな素材が使われているかが理解できる。
- どんなアウターを購入すれば自分の用途に適しているのか理解できる。
- ハードシェルとソフトシェルの違いと役割が理解できる。
- ウィンドブレイカーの役割について理解ができる。
- ウェアが持つ保温性の違いについて理解ができる。
ハードシェルとソフトシェルの違いについて
『ハードシェル』と『ソフトシェル』
ウェア選びの際に、一度くらいはこのワードを聞いたことがある方も多いと思います。
そもそも『シェル』というのは日本語で『殻』を意味する単語です。



硬い貝殻をイメージしてください。
外部の攻撃からしっかりと身を守ってくれます!
こういったアウターシェルは、主に高所登山やクライミング、スキーやスノーボードなどで使用することが多いです。
簡単に説明すると、『ハードシェル』と『ソフトシェル』の違いはこのような点になります。
ハードシェルの特徴
- 完全防風機能
- 防水&撥水機能
- 生地にガサガサとした厚みをもたせているため生地強度が高い
- 透湿性はあるが行動量が多いとどうしてもウェア内部がムレる
ソフトシェルの特徴
- 高い防風機能
- 撥水機能
- 擦れや引掛けにも耐える生地強度をもっている
- 生地は柔らかくてしなやかな着心地を提供してくれる
- 透湿性が非常に高く汗をかいてもウェア内部はムレにくい
この違いを覚えておくだけでも、ウェア選びで迷うことは少なくなるはずです。


晴れているのにレインウェアやハードシェルをアウターに使用してしまうと、
汗がウェアの外に放出しきれずウェア内部で結露してしまい体を濡らしてしまいます。
その場合、アウターウェアをソフトシェルに変えるだけで透湿性は格段に上がります!
特に風が強い日、行動量が多く汗をかいてしまう事が予想される場面では、ソフトシェルの使用をおすすめします。
基本的にハードシェルを着用したまま行動する場面というのは限定的です。
雨天時や過酷な雪山での行動時など、天候が悪く濡れてしまうリスクがある時に使用するとウェアだという認識でよいと思います。
ウィンドブレイカーについて
では、ウィンドブレイカーとはどういった役割のウェアなのでしょう?
馴染み深いウェアだと思いますが、こちらも簡単に説明していきます。
ウィンドブレイカーとは耐久性のあるナイロンやポリエステル素材で作られているものが多く、
袖口にはベルクロやゴムを使った絞りが付けられているものが主流で風の侵入を防ぐような作りになっています。
非常に軽量でコンパクトに収納できる事が利点。
基本的に防水機能は持ち合わせていないが、撥水機能と高い透湿性を持つ製品が多いためアウトドア・ブランドによってはソフトシェルとしての位置づけで販売されている。
ウィンドブレイカーの特徴
- 薄くて軽量
- 撥水機能
- 高い防風機能
- 生地が薄くコンパクト収納が可能
- 透湿性が高く速乾素材の製品も多い
山での行動時には、常にバックアップとして必ずレインウェアは携行しているはずですので、
晴天時の縦走登山やハイキング、フリークライミングなどでは透湿性の高いウィンドブレイカーをアウターに使用すると、とても快適です。
ウェアの違いによる保温性の差とは?
ウェアの保温性って何で決まるのか、皆さんはご存知でしょうか?
生地の厚みでしょうか? それとも素材??



こんな質問をよく受けます。
見た目が似ているハードシェルジャケットなんだけど、どちらを買おうか悩んでます。
保温性で選ぶとしたら一体どちらの方が温かいジャケットなのかを教えて下さい。
この疑問を解決するためには、保温性を生み出す仕組みについてを理解しなければいけません。



ではその仕組みを、わかり易く説明していきますね。
先に結論から書きますが、主に衣類の保温性を決めるポイントはコレだけです!
- インサレーションは入っている?
- 裏地にフリースが付いている?
- 生地が持つ透湿性能の違い
では、上記ポイントについて説明していきます。
インサレーションとは、化学繊維の中綿やダウンといった断熱性の高い中綿の事です。
シェルの表生地と裏地の中にインサレーションが入っている場合、そのシェルには保温性が備わっています。
インサレーションの質によって保温力は大きく左右されるのですが、一般的にはインサレーションの量が多いウェアの方がそれだけ保温性も高いと考えていただいて問題ありません。
ダウンと化学繊維綿の違いは、こちらの記事で更に詳しく解説しています。


シェルの裏地に起毛したフリースが貼ってある場合、そのシェルには保温性が備わっています。
フリース生地の素材によって保温力は大きく左右されるのですが、
一般的にはフリースの毛足が長い方が、それだけ保温性も高いと考えて頂いて問題ありません。
透湿性の違いで体感的に違いが出るという話です。
簡単にいえば、透湿性の低い生地ほど汗となった水蒸気や体温はウェア内部にこもるため、体感として温かいと感じます。
サウナスーツをイメージしてもらえると分かりやすいですね。
裏を返せばウェア内部がムレているだけなので、汗冷えして低体温症のリスクとなります。
もしアウトドアでの使用目的なら、これでは快適な行動は出来ないですしリスクを抱えることになります。
上記したポイントを参考に考えてもらえれば、保温性になぜ差が出るのかをある程度理解していただけるはずです。
まとめ
アウトドアウェアはレイヤリングという考え方が前提にあり作られているものが多いので、シェル自体に保温性をもたせてある物はそんなに多くないはずです。
レイヤリングについてはこちらの記事でより詳しく解説していますので、ぜひ読んでみて下さい。





アウターシェルの違いについて説明しました。
まとめるとこんな感じ!
- 雨天や雪山など、濡れる可能性がある場合はハードシェル
- 晴天時なら、透湿性の高いソフトシェル
- 縦走登山やハイキングなどでは、より軽量なウィンドブレイカー
- インサレーションやフリースが付いていないシェルなら、保温性に大差はない
用途に合ったシェルを選んで、快適なアウトドア・ライフを満喫して下さい!
コメント